2012年11月05日

日本の「空気」文化 独特な社会を形成:宋文洲氏


チャイナプロジェクトの樋笠です。ソフトブレーン創業者の宋文洲氏のコラムです。日本に長らく生活する華人の方は、日本人特有の「空気」文化の危うさをよく見抜いていると思います。最近の尖閣問題でも集団心理に酔って中国を非難するような発言がネット上で目立ちました。空気に飲まれず冷静に自分の意見を通せる日本人がもっと増えればよいと感じます。
 
 
日本の「空気」文化 独特な社会を形成:宋文洲氏
 筆者は日本で創業・上場を実現し、日本で20数年間暮らしている。妻は日本人で、仲の良い友人の多くが日本人だ。まず言えることは、日本人は我々中国人と同様、暮らしを愛し、家庭を愛し、大自然を愛する、血の通った普通の人間だということだ。
 
 しかし日本に長く暮らしていると、一つの奇妙なものが日本人を動かしていることに気づくようになった。それは知らぬ間に形成される、集団で同一性を求める心理だ。このような心理は、どこかの組織により無理やり形成されるのではなく、英雄的人物によって形成されるわけでもない。これは共鳴に似ているが、強い拘束力と集団心理のプレッシャーが存在する。日本人はこれを「空気」と呼ぶ。
 
 この「空気」がいつ形成されるのかは、日本人にとってもよくわからない問題だ。過去の戦争を振り返ってみよう。日本は社会改革を実現し工業国となると、日清戦争により自国の実力と清朝の弱さを証明した。これにより「日本は優れており、中国は弱い」という空気が形成された。
 
 日本は中国から獲得した巨額の賠償金により、鉄道を建設し、教育を推進し、現代化のペースを加速した。善良な一般人はこれが「不義の財」であることを知っていたはずだが、国全体で軍国主義の空気が形成された。時代に乗り遅れれば侮られ、弱ければ侵略される。そして最終的に、このような空気がすべてを支配した。
 
 真珠湾奇襲の山本五十六司令官はハーバード大学の留学経験があり、米国の実力を熟知していた。彼は天皇や軍部に対して、一時的な勝利は収められるが、最終的な勝利を手にすることは不可能だと語った。正常な民族であれば、開戦を避けるか、早めに撤退して講和を求めたはずだ。多くの日本人もそれを知っていたが、口にすることができなかった。平和的な協議を主張していた犬養毅首相でさえ、売国奴として士官に暗殺されたのだから、それも無理はない。
 
 日本人は幼い頃より、大多数の人々に合わせ、全体の秩序を守ることを学ぶ。そうでなければ、「村八分」の制裁を受けることになる。
 
 そのため日本人はおとなしくて管理しやすいが、独立した考えを持たない。常に多くの人がどのように考え、どのように行動するかを検討してから、自分の考えと行動を決定する。
 
 このような「空気文化」の蓄積により、日本社会には集団心理に左右され、集団洗脳される危険性が存在する。つまり日本人が集団で危険を冒す可能性が高いと言える。彼らは一人で行動する際には非常に慎重だが、集団で行動する場合は大胆になる。これは彼らが大胆なのではなく、自ら考えようとしない、自ら考えられないためだ。
 
 今回の釣魚島(尖閣諸島)問題の発端は、石原氏による島の購入に向けた行動だ。丹羽前中国大使は数カ月前に、「買い取りを実施すれば、中日関係に重大な危機が訪れる」と繰り返し忠告していた。これは本当のことであり、日本の政策決定にとって高い価値を持っていた。しかし日本は中国の顔色など気にしないという空気に支配された。メディアはこぞって丹羽氏を批判し、日本政府も公開の警告・処分を行い、丹羽氏を更迭した。それから数カ月後、丹羽氏の発言が真理だったことが、現実によって証明された。しかしメディアや政治家は、自らの判断ミスを認めようとしていない。
 
 外国人から見れば幼稚で下らない事だが、日本人の間で空気が形成されると、彼らはその他の影響をまったく受けず、壁にぶつかるか谷底に呑み込まれるまで、一致団結して前進する。民族性というものは、一度の戦争で根本的に変わるものではない。日本という国家やその組織と交流する際、日本人のこの「空気」と称される、集団の同一性を求める心理に注意が必要だ。それは理屈ではなく、同じであることのみを求める。それが誰に導かれているのか、いつ変化するのかを知ることはできない。(筆者 宋文洲)
 
 
 
 「人民網日本語版」2012年11月5日
 
posted by east-end at 14:13| 中国ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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